老後破産…老後貧乏…いやな言葉ですよね。
これは老人が貧困により破産状態の生活を送らざるを得ないことを指す言葉ですが、現代では約300万人の老人が貧困状態に置かれており、約200万人が老後破産の状態だと言われています。
この数は年々増え続けるとも言われており、もはや社会問題ですね。
この問題を受けて、自分が老後破産の状態に陥らないように「しっかりと貯蓄するぞ」と考えて対策をしている人も多いことでしょう。
ただ最近になって僕が感じているのは「老後までにいくら貯められるのか」よりも「年をとっても稼ぎ続ける力」が必要なのではないかということ。
そして稼ぎ続けるために大事なことは「多様性」と「ポートフォリオ資産の保持」なのではないかと考えています。
目次
人生は計算できないことの連続

老後資金はいくら必要なのか?
この問いに対する一般的な答えは「3500万円〜1億円」と言われています。
答えに幅があるのは「会社員か自営業者か」「持ち家か賃貸か」「健康か不健康か」などによって変わってくるから。
自分の置かれている状態を把握し「老後にいくら必要なのかを計算」し、働いて稼げているうちに「目標額までしっかりと貯蓄しましょう」というのが、老後破産・貧乏に陥らないための対策として言われていることです。
でも本当にそうなのでしょうか?
僕はそう思いません…なぜならば「人生は計算できないことの連続」だから。
いつまで生きるのか?なんてわからないですよね。健康状態を保てるかなんて未知数。大きな災害に見舞われないとも限らない。
80歳まで生きるつもりだったとしても、60歳で亡くなることもあれば、100歳まで生きる可能性だってある。健康状態によっては介護費用が増えるかもしれません。
貯蓄を◯◯◯◯万円できたから安心…なんてことは基本的にないのではないでしょうか?
本当に必要な対策は稼ぐ力・稼ぎ続ける力

貯金はあるが「稼ぐ力」のない人は「減る一方」「消耗し続ける」だけ…貯蓄が尽きる前に寿命を迎えれば破産することはありませんが、そうでなければただの地獄…。
「お金が尽きるまでに死ななきゃ」みたいな感じ…そんなストレスを感じながら生きるのって悲しくないですか?
もちろん貯蓄があることのほうが望ましいのですが、それだけではなく「稼ぐ力」「稼ぎ続ける力」が老後を生き抜くために大切なのではないでしょうか。
時代によってなんらかの価値を生み出し続ける力「多様性」が必要
働き続けるために大切なことは「多様性」だと考えています。
生物の生き残りなんかでも「多様性」って大事ですよね。多様性を持った生物群の方が画一的な生物群よりも生き残りやすいと考えられています。
【チャールズ・ダーウィンの名言】
「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」
環境に変化が起きたとき、画一的なものは適応できるかできないかの2択だけど、多様なものは選択肢が多く適応する可能性が高くなるので生き残りやすいですよね。
働き続けることも生き残り続けることと同じだと思います。
常に同じ環境や条件で働くことって難しいです。年齢とともに自分を取り巻く環境や条件が変わっていくのが普通ですよね。
体力、立場、社会の状況などなど…そんな変わりゆく環境や条件に対応していける多様性がなければ働き続けることは不可能です。
20代のときには肉体労働でバリバリ働けたとしても60代や70代では無理でしょう。働けたとしてもできることが限られるため低賃金での労働を余儀なくされるはず。他の方法での働き方を模索できなければ収入が厳しいですよね。
日本が壊滅的な状況に陥った場合、海外で働ける能力があれば稼ぎ続けられるでしょう。
今後テクノロジーの進歩に伴って失われる職種も出てくるでしょう。それは自分の職種かもしれません。LIFE SHIFTという本によると、向こう10〜20年程度の間にアメリカの雇用の47%が消失する恐れがあるらしいです。
そんなときに別の職種でも働く能力が身についていたら稼ぎ続けることができます。
稼ぎ続けるためには、時代に対応した価値を生み出し続ける「多様性」が必要です。
多様性は「経験」によって身につく
では多様性はどうすれば身につくのか。僕は「経験に勝るものはない」と思っています。
限られた「人」や「場所」での交流だけでなく、世界を限りなく広げ経験をすることが多様性を身につける最善の方法ではないでしょうか。
日本人の友人だけでなく外国人の友人も得て交流する…同じ業界の人だけでなく他業界の人との交流を持つ…性別や年代でも同じことが言えます。
生まれ育った故郷だけではなく他地域へ…日本だけでなく海外へ…。同じジャンルの本だけではなく、たまには違うジャンルの本を読んでインプットを行う。
同じ部署、同じ職場で働き続けるのではなく、様々な仕事にチャレンジする。
できる限り若いときにそういった思考で経験を積むことができれば自然と多様性を身につけられると考えています。
継続的に安定収入を得るためのポートフォリオ資産

もう一つ「稼ぎ続ける」ために大切なことは、「ポートフォリオ資産」を保有することです。ポートフォリオ資産とは以下のとおりです。
【ポートフォリオ資産とは】
株式・債券・投資信託などの金融資産のこと
なぜポートフォリオ資産を保有する必要があるのか?
それは株や債券を保有し配当金を受け取ることで「継続的に安定収入を得る」ためです。
配当金とは「他人が働いたことで得た利益」を還元してもらっているお金なのです。「自分自身の労働力」によって得られたお金ではありません。
自分の「労働力に頼らなくても得られるお金」…老後にうってつけの収入源ですよね。
ただこのような収入源を得るためには「それなりのまとまった資金」が必要です。
最初からお金持ちの人であれば、すぐにでも配当金を得ることができますが、そうでない人はコツコツと資金を積み立てることを実行しなければいけません。
現在30歳くらいの人は、あと35年ほどの時間があります。この間に多くの資金をポートフォリオ資産に変えておくことができれば、老後も「稼ぎ続ける」ことが可能なはず。
勤労所得をポートフォリオ資産に変える習慣をつけよう
老後破産・貧乏は多くの人が直面する社会問題です。
この問題を回避するためには「貯蓄力」も大切ですが、それ以上に「稼ぐ力」「稼ぎ続ける力」が必要だと感じています。
そして稼ぎ続けるために重要なことは以下の2つ。
- 価値を生み出し続ける「多様性」
- 継続的に安定収入を生み出す「ポートフォリオ資産」
この2つを念頭に対策を行い老後に備えていきたいですね。
