森金融庁長官が「現在ある投資信託の中で「積立NISA(ニーサ)」の対象になり得る投資信託が全体の1%程度」という趣旨のコメントをしましたね。
積立NISAで投資対象に値する投資信託は全体の1%って…要は「99%はゴミ」ってことだよね…まともじゃないってことでしょ。
こういった発言を金融庁長官が公の場で発信したのは素晴らしいことだと思いました。
投資は危険なんて言うけど、原因は「自分たちの利益のためだけにゴミを売りつけてくる販売会社」にもあると僕は思っています。
心ない販売会社は相手に知識がないことを利用して、高い手数料の投資信託を売ろうとしてきます。※良心的な販売会社もありますよ。


ただ「文句を言ったところで損をするのは自分たち」です。それに問題があるのは心ない販売会社だけではなく、金融リテラシーのない自分にもあります。
ゴミを売りつけられないように「何が良い金融商品なのか」を判断できるように金融リテラシーを身につけておきたいですよね。
ということで、今回は「まともな投信とはどんな商品なのか」について書いていきます。
目次
まともな投信とは「どんな商品」なのか
答えは森金融庁長官の発言から探っていきましょう。
「日本で売られている公募株式投信は5406本ありますが、そのうちインデックス型株式投信は381本です。これから、複利の利益が得られない毎月分配型の投信、レバレッジのかかった投信、信託期間が短く長期投資を前提としていない投信を除き、ノーロードで信託報酬が一定率以下のものに限ると、積立NISAの対象として残ったものは50本弱でした。」
日本証券アナリスト協会が主催した「国際セミナー」での発言です。
この発言から読み取れる「まともな投信の基準」は以下の6つ。
- インデックス型の投信
- 分配金再投資型の投信
- レバレッジのかかってない商品
- ノーロードの投信
- 信託報酬が低い商品
- 長期投資を前提としている
良い投信の内容がわかったので、それぞれの基準について知識を深めていきましょう。
インデックス型の投資信託とは
投資信託には「インデックス型」と「アクティブ型」の2種類があります。
- インデックス型…基準価額がある指標(インデックス)と連動することを目指して運用する投資信託のこと。指標(インデックス)には「日経平均株価」「TOPIX」「S&P500」などがあります。
- アクティブ型…予め定めたベンチマーク(TOPIXや日経平均株価などの市場平均)よりも高い収益率を獲得することを目指して運用する投資信託のこと。
インデックス型は「市場の平均を目指し」、アクティブ型は「市場の平均を上回ろう」とする投資信託と言うことですね。
この部分だけを見るとアクティブ型のほうがよさそうに感じますが、インデックス型のほうが良いと言われる理由は以下のとおり。
- アクティブ型はインデックス型よりもコストが高い
- アクティブ型の6割〜7割は市場の平均を上回れない
- 一時的に上回ったとしても継続して好成績を残すのは至難の技
上記の理由からコツコツと堅実に長期投資をするのであればインデックス型のほうが向いていると言われています。
もっと細かく「アクティブ型よりもインデックス型のほうが優れている理由」を知りたければ「ウォール街のランダムウォーカー」という本がおすすめです。
分配金再投資型の投資信託
金融庁長官の発言では「複利の利益が得られない毎月分配型の投信を除く」とありましたね。ということは「分配金再投資型の商品を選べ」ってことです。
逆の言い方をすると…「毎月分配型の投資信託を選ぶな」ということです。
投資信託には分配金を「毎月分配するタイプ」と「分配せずに再投資するタイプ」に分かれます。毎月お金がもらえると「得をした気分」になれますが、実は「得をしたとは限らない」のです。
なぜならば分配金が支払われるときに「税金」を支払っているから。
例えば1000円の配当金があった場合、「分配するタイプ」は受け取るときには20%の税金が引かれ800円となります。しかし「分配せずに再投資するタイプ」の場合は1000円がそのまま再投資されるのです。
このわずかな差が長期運用では大きな違いとなって現れます。なぜ大きな違いが生まれるのか?それは分配金再投資型の投資信託の方が「複利を活かせる」から。
毎月分配型の投資信託だと税金のぶんだけパフォーマンスが低下するんですね。
さらに分配金は元本を切り崩して支払っているので「複利」を活かすには致命的な商品なんですよね。
https://grow-rich.me/532

レバレッジのかかってない商品
レバレッジとは「経済活動において、他人資本を使うことで自己資本に対する利益率を高めること」とウィキペディアには書いてあります。
ようは「自分のが持っている以上のお金を扱う」ことと考えれば良いでしょう。
このレバレッジ効果を用いれば「儲けたときにより多くのお金を手に入れる」ことができるのですが、逆に「損をしたときにより多くのお金を失う」ことになります。
自分の持っているお金よりも多くの資金を動かすので、損をしたときにカバーしきれない金額が動く可能性があります。つまり多額の借金を作るということですね。
儲けることばかりに目がいって、損したときのリスクを考えていなければ非常に危険です。
金融庁長官の発言では「レバレッジ」を用いることはやめなさいと言っています。
- レバレッジとは→自分の持っている以上のお金を使うこと
- 損したときに多額の借金を作ってしまうリスクがある
ノーロードの投資信託
ノーロードの投資信託とは購入時に手数料がかからない商品のことです。
投資信託で投資効率を上げたければコスト削減を行わなければいけません。コストが減れば減るだけ運用成果は高まります。
そして販売手数料は投資信託のコストの1つです。おそらく多くの人が払っているであろう販売手数料は払う必要のないコストです。
積立で投資を行うのであれば購入時の手数料は重要ですよね。
ノーロードの投資信託に関しては以下の記事で詳しく書いているので参考にしてください。

信託報酬が低い商品
信託報酬とは投資信託の「管理手数料」のようなもので、投資信託を保有している間は必ず必要なコストです。
いわゆるランニングコストと言うやつですね。
ノーロードの投資信託を購入する利点と同じですが、この信託報酬のコストをカットするだけ運用成果は高まります。
この信託報酬に関しては以下の記事で詳しく書いているので参考にしてください。
個人的には0.5%前後が許せる範囲で、1%台の信託報酬は高いと思いますね。

長期投資を前提としている
長期投資を前提としている投資信託かどうかの判断は「コストが安い」「分配金を再投資」しているかを見れば良いでしょう。
つまり「ノーロード」で「信託報酬が安く」、「分配金再投資型」の「インデックスファンド」が長期投資を前提としている投資信託ということができます。
積立NISAで投資信託を購入するのであれば、金融庁長官の発言に素直に従ったほうが資産を増やせる確率は高くなるでしょうね。
あとは金融庁長官が発言しているように「信託期間」をチェックしましょう。
信託期間とは投資信託の運用がスタートする「設定日」から、運用が終了する「償還」までの期間を指します。「信託期間」が終了すると投資信託は「償還」します。
長期運用を目的とするのであれば「信託期間」が短い投資信託は避けましょう。ちなみに信託期間は目論見書でチェックできます。
これらの条件を満たしているのが「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」
じゃあ「森金融庁長官がおすすめするような投資信託はどれなんだ?」と思っているのであれば「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」がおすすめです。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドが「どのような商品なのか」は以下の記事で詳しく書いているので興味のある方は読んでみてください。

現在投資を行っている方で森金融庁長官の言う「まともな投信」に当てはまらない商品を保有している人は「見直し」を検討してみてはいかがでしょうか。